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空中三角測量の仕組みや原理とは?ドローンを使った写真測量のコツも解説!

空中三角測量とは何か、その仕組みや原理をわかりやすく解説します。 近年注目されているドローンを使った写真測量の特徴やメリット、精度を高めるためのコツについても詳しく紹介します。 オーバーラップ率やバンドル調整、同時調整といった重要な要素も押さえながら、実践に役立つ知識をまとめています。 これから空中測量を始めたい方や、業務に導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
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空中三角測量は、空中写真をもとに地形の位置や高さを正確に割り出す測量手法です。

 

近年ではドローンの普及により、専門業者だけでなく個人や小規模事業者でも手軽に高精度な測量が行えるようになりました。

 

この記事では、空中三角測量の基本的な仕組みや原理をわかりやすく解説するとともに、ドローンを使った写真測量を成功させるためのポイントも紹介します。

 

測量の精度を高めたい方や、現場での効率化を目指す方はぜひ参考にしてください。

空中三角測量とは?基本的な仕組みや原理を解説

まずは、空中三角測量に関して下記の観点から解説します。

 

  • 空中三角測量とは
  • 空中三角測量の主な仕組み
  • 空中三角測量の原理

 

空中三角測量の仕組みを把握するうえでの参考にしましょう。

空中三角測量とは

空中三角測量とは、空中から撮影された複数の写真をもとに、地形の位置や高さを三次元的に測定する手法です。

 

主に航空機やドローンで上空から地表を撮影し、その写真に写る対象物の位置関係やカメラの角度などから、正確な座標情報を割り出します。

 

測量図や3D地形モデルを作る際に使われ、都市開発や災害調査、インフラ整備などさまざまな分野で活用されています。

空中三角測量の主な仕組み

空中三角測量では、まず複数の空中写真を撮影し、それらが重なる領域(オーバーラップ)をもとに共通点を特定します。

 

次に、カメラの位置や姿勢を推定しながら、対象地点の三次元座標を算出します。

 

三次元座標を算出するとき、参照するのは既知の地上基準点(GCP)です。地上基準点をもとに、全体の測量精度を高める仕組みとなっています。

 

複数の視点から捉えた情報を「束ねて調整」するバンドル調整も重要な工程のひとつです。

空中三角測量の原理

空中三角測量の原理は、三角測量の考え方を応用したものです。

 

異なる視点から撮影した写真の交点をもとに、対象物の位置を割り出します。

 

人間の両目で奥行きを感じ取る「視差」と似ており、二枚以上の写真に写る同じ対象を基準に三角形を形成し、位置情報を算出するといった流れです。

 

カメラの位置や角度も計算に組み込むことで、正確な地形データを得ることが可能になります。

空中三角測量にはドローンがおすすめ!メリットを解説

空中三角測量にはドローンの活用が欠かせません。メリットは下記のとおりです。

 

  • 広範囲を短時間で撮影できる
  • 高解像度の画像から精度の高いデータが得られる
  • 同時調整やバンドル調整がしやすい

 

同時調整やバンドル調整など、知っておくべき用語も解説します。

広範囲を短時間で撮影できる

ドローンを使えば、徒歩では到達しづらい山岳地や広大な土地でも、短時間で効率よく空撮できます。

 

自動航行機能を使えば、事前に設定したルート通りに飛行し、一定のオーバーラップ率で安定した画像を取得可能です。

 

ドローンの活用方法次第で、人手と時間を大幅に削減しつつ、精度の高い空中三角測量が実現できます。

高解像度の画像から精度の高いデータが得られる

ドローンは低空飛行ができるため、地表に近い距離から高精細な画像を撮影できます。

 

低空飛行での撮影を行うと、細かい地形の凹凸や構造物も鮮明に記録でき、測量精度を向上させることが可能です。

 

画像の解像度が高ければ、同一対象を複数視点から正確に認識しやすくなり、三次元データの再現性も高まります。

同時調整やバンドル調整がしやすい

同時調整やバンドル調整がしやすいのも、ドローンを使った空中測量のメリットです。

同時調整とは、複数の写真データを一括で処理して、位置や姿勢のズレを最小限にする解析方法です。

 

バンドル調整は、カメラの位置・姿勢・地物の座標を同時に最適化する手法で、ドローンが取得する一連の画像に適しています。

 

上記の工程は精度に直結するため、ドローンによる撮影が大きなメリットとなります。

ドローンを使って写真測量を行うときのポイント

ドローンを使って写真測量を行うときは、下記3つのポイントを意識しましょう。

 

  • 飛行高度とカメラの設定を適切に行う
  • オーバーラップ率とサイドラップ率の調整に注意する
  • 風や逆光に注意して写真を撮影する

 

それぞれのポイントで知っておくべき注意点も解説します。

飛行高度とカメラの設定を適切に行う

飛行高度が高すぎると地形の細部が不明瞭になり、逆に低すぎると撮影枚数が増えて処理負荷が上がります。

 

目的に応じて最適な高度を設定し、カメラのシャッタースピードやISO感度も調整して、ブレや露出オーバーを防ぎましょう。

 

特に地形や構造物の計測を行う場合は、解像度と対象物の大きさを考慮した設定が必要不可欠です。

オーバーラップ率とサイドラップ率の調整に注意する

測量精度を確保するためには、写真同士の重なりが重要です。

 

一般的に前後方向のオーバーラップは80%以上、左右方向のサイドラップは60%以上が推奨されています。

 

上記両者の重なりが少ないと、ソフトウェアによる画像解析がうまくできず、三次元データの精度が低下してしまうため注意が必要です。

風や逆光に注意して写真を撮影する

ドローンは風に流されやすいため、強風時は飛行の安定性が損なわれ、ブレや位置ズレの原因になります。

 

また逆光下での撮影は画像が白飛びしたり、コントラストが低下したりして、解析が難しくなることも多いです。

 

なるべく風が穏やかで太陽の位置も考慮できる時間帯を選び、安定した撮影を心がけましょう。

空中三角測量に関してよくある質問

最後に、空中三角測量に関してよくある下記の質問へ回答します。

 

  • 空中三角測量は何のために行われる?
  • 空中三角測量で作成される成果物は何がある?
  • 空中三角測量に関連する法律や規程はある?

 

記事で触れていない内容についても、参考情報として目を通しておきましょう。

空中三角測量は何のために行われる?

空中三角測量は、下記を含むさまざまな分野で活用されている手法です。

 

  • 都市計画
  • インフラ整備
  • 防災対策
  • 林業管理
  • 農地の状態把握など

 

広範囲を効率よく計測できることから、地上測量が難しいエリアでも高精度な地図作成が可能となります。

空中三角測量で作成される成果物は何がある?

空中三角測量の主な成果物には、下記などがあります。

 

  • オルソ画像(正射画像)
  • DSM(数値表層モデル)
  • DEM(数値地形モデル)
  • 三次元点群データなど

 

上記の成果物はGIS(地理情報システム)で利用されたり、測量図や設計図面の基礎資料として幅広く活用されたりします。

用途に応じて、カラー画像、立体視画像、3Dモデルなども出力可能です。

空中三角測量に関連する法律や規程はある?

日本国内では、測量法に基づいて空中三角測量が管理されています。国土交通省が定める「公共測量作業規程」や「写真測量作業規程」に則って作業を行う必要があります。

 

参考:測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)

 

また、ドローンを使用する場合は、航空法や小型無人機の飛行ルールに関する規定も遵守しなければなりません。

 

安全かつ合法的に作業を進めるためには、上記の法令を事前に確認しておくことが重要です。

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